amazonが個人出版に対応するための体制を整えてきた|電子書籍の限界?
Y.K
こんにちは。株式会社ウィザップ小池商店、小池です。
”耐刷力” って皆さんご存知でしょうか?
今日耐刷力に関して話題になったので取り上げてみました。
一般の人にはわからないですが、印刷会社の製造以外の方には馴染みがないと思います。
オフセット印刷では刷版を使用して印刷します。耐刷力はその刷版が印刷に耐える力のことを言います。
つまり、耐刷力の高い低いで何枚刷ることができるかが変わってきます。
オフセット印刷の機械に入っていくインクの流れは、
ローラー → 刷版 → ブランケット → 紙
となっています。
図は簡単に作りました。
細かいところは突っ込まないでください。
刷版と紙の間にブランケットというものを挟みます。
ブランケットを挟むメリットはたくさんありますが、メリットの一つとしては刷版にかかる負荷の軽減です。
刷版と紙を直接つけても印刷できますが、物理的な力がかかってしまうので、ゴム製のブランケットを仲介することで負荷を軽減し耐刷力を向上させています。
刷版のインクが乗るところは樹脂でできているのでインクをつける際のローラーと刷版、刷版とブランケットの摩擦で痛んでいき、限界を超えると樹脂がすり減っていって印刷できなくなります。
ということで、刷版の評価項目の一つとして耐刷力というものがあります。
弊社のAGFA社 AZURA TS だと10万枚までと公式HPでは書いてあります。
ただ、印刷条件によって変わります。
刷版に対するローラーの圧力が強かったり、使っているインク、ブランケット、薬品など様々な要素によって変わります。
同じ刷版で10万枚以上印刷することは枚葉オフセット印刷ではほとんどないので、弊社の油性のインクを使った印刷機は耐刷を気にしたことはないですが、LED-UVインクを使っている印刷機は問題が生じます。
というのは、LED-UVインクは刷版との相性が悪く、耐刷力が可成り低いんです。
弊社ではLED-UVだと条件にもよりますが、1万枚を超えると刷版がダメになる可能性があります。
なので印刷枚数によって同じ刷版を複数作って、1万枚以上印刷した刷版は新しいものに交換してあげる必要があります。
今回話題に上がったのは、8万枚印刷する案件が入ってきたからです。
これだと同じものを8セット出さなければいけないのでコストがかかってしまいますよね。
耐刷力のある刷版で印刷する必要があります。
その場合は刷版の外注もあり得ます。
大ロットの印刷に関しては見積額や工数が変わるので、耐刷力も頭に入れておいてください。