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Y.K
ドイツで4年に1度開催される世界最大の印刷機材展drupa2024に行ってきました
ハイデルベルグ・ジャパンのツアーを利用しての参加です
drupaツアーを振り返りながら少しずつ記録に残していこうと思います
まずはこのツアー最初の視察はdrupaではなくドイツの印刷会社訪問
ハイデルベルグユーザーであるパッケージ印刷会社2社を見学しました
残念ながら写真はNGという事だったので文章のみになります
1社目はコチラから
↓↓↓
【drupa2024①】ユーザー訪問1社目:バウアーパッケージング社【ハイデルベルグ・ジャパン drupa2024視察ツアーパッケージ印刷コース】
2社目はバウアーパッケージング社
300人を超える社員がいる大きなパッケージ印刷会社です
敷地面積は33000㎡でサッカーフィールド約4~5個分、年間10億個ものパッケージを製造しています
こちらも家族経営ですが、創業家の娘5人のオーナーは経営に関与していないようで、経営の手綱を握っているのは業界での実力者である外部から招へいした常務取締役の2名です
パッケージ生産のみならず、製造したパッケージに製品を詰めて全国各地に出荷するまでを行う事もやっています
例えば、今回見てきたもので言えばハリボーのグミのパッケージを製造して、数十個の異なる個包装されたグミをパッケージに詰めていき、ディスプレイ用什器に積み上げて段ボール詰めして各スーパーに出荷する、という事をやっていました
因みにすでにクリスマス仕様の特別なハリボー製品を詰めてました
もちろん、ハリボーの個包装組はメーカーから支給ですね
箱詰めする専用の機械があるんですよ
すごいですよね
これらはフルフィルメントと言って生産から物流までをサポートするサービスとなっています
パッケージを作るだけでなく、その後の工程まで完結させるサービスであるフルフィルメントサービスをもっと拡張していきたいという事でした
そのためには、敷地が必要で2029年までに今の33000㎡の敷地を倍にしていく計画で動いているという事でした
この敷地を倍にするというのは、もちろん売り上げを上げるためです
持続性というのがキーワードになっていて、経営資源である人材の確保には1社目同様に悩まされていると言っていました
経営の持続性を保つには人材確保のためにも売上を伸ばすことは必須であるとのことです
人材競合は周辺の自動車関連業だと言っていました
自動車関連業の方が給料が高いからです
同じ水準の給与待遇を実現するためには、今いる人数でもっと売り上げを伸ばす取り組みをしていかなければならないと言っています
これらのための増床とフルフィルメントを伸ばしていくという方針になっているそうです
2社ともに言える事ですが、結構な田舎というか都市部から離れたところに工場があって人材確保は確かに難しいのかもしれません
パッケージ製造には設備も大きく特にグルアーが長い事、また、パッケージは厚紙なので1パレット2000枚というのも普通ですから、刷本や用紙置き場に広大な敷地が必要となり、土地の安い郊外にならざるを得ないのかもしれません
この辺は日本と同様ですね
数百億の売上がある会社ですが、営業の方は数人しかいないと言っていました
ドイツではメーカーと顧客はパートナーであり、日本のように顧客が上の立場という事はないそうです
納期遅延や変更、校正が増えれば手間が増えた分しっかり費用請求する
文化の違いですね
売り上げの8割は上位50社だそうです
上位数社で大多数の割合を占めるのは経営上のリスクになるという事で気を付けているとも言っていました
アクティブユーザー(定期的にお仕事を頂ける顧客)は200~300社と言っていた気がします
設備はとにかく自動化しています
アームロボットによる、段ボール組を行い、その段ボールにパッケージを詰めていき、段ボールで梱包された製品はアームロボットがパレットに積み上げます
印刷室や後加工機でもリフターが無人で自動運転しており、刷本や用紙を運んでは給紙排紙の用紙セットと刷本排出をしてました
設備はとにかくたくさんありました
用紙の手配も革新的です
2,3日後の印刷予定の用紙は倉庫に入荷して温湿度を工場になじませます
翌日使用する用紙は刷順通りに並べられます
この会社では刷版は前日に仕事順で出力されること、用紙も仕事順で並べられてとにかくムダが無いようにしているそうです
用紙は順番通り並べる前にパイルターナー(反転機)で木パレットから樹脂パレットに変更します
木パレットは社内の処理設備で破砕、チップ化して、社内空調の燃料として利用します
ドイツは用紙入荷時の木パレットを使いまわすことがないようですね
因みにすべての木パレットが下駄パレットでした
SDGs的な環境対応が必須のドイツ
環境面に配慮していないと仕事が取れないほど重要な資格や認証が多いそうです
この辺も日本とは違いますね
なので、木パレットの再利用なんかも顧客へのアピールポイントとして大きいそうです
環境対応が重要なドイツやヨーロッパ諸国のトレンドは日本や世界にも波及する可能性はあるかもしれません
2社目は規模がデカかったので設備がどうというよりは、仕事の仕組みやビジネスをどのように展開していくのか、経営の持続性はどのように維持するか、など経営面の勉強をさせてもらう事が多かった気がします
つづく