印刷業界の今後について考えてみる|「超効率化・自動化」と「印刷に固執しない新規事業」が必須

印刷市場は今後も縮小傾向

株式会社ウィザップは名前からはどんな業態なのかわからない会社ですが、数年前まで「新高速印刷株式会社」という社名であったように、印刷会社です。主に商業印刷、出版物が得意です。商業印刷とは、チラシやポスター、パンフレットなど販促物が含まれているといえばわかりやすいでしょうか。

そんな弊社が業種でカテゴライズされる「印刷業界」ですが、年々業界規模を縮小しています。

 

印刷市場の動向 | 日本印刷産業連合会

 

2004年には約7兆2000億円あった印刷市場の出荷額が、2016年には約5兆3000億円にまで減っています。理由は、急速な情報のデジタル化によって、紙ベースの印刷物の需要が減ったからです。PCやスマートフォンの普及でコストのかからないデジタル情報媒体に世の中が移行するのは必然でした。

今後も毎年、-1.5~-2.0%で縮小していくと言われています。

 

そんな縮小傾向の印刷業界は、今後何もせずに今のままの経営を続けているだけでは潰れていく会社がほとんど。もちろん弊社も含めて。

そこで、印刷業界は今後どうしていくべきなのか、考えてみます。

 

「超効率化・自動化」と「印刷に固執しない新規事業」が生き残り成長するために必須

 

まずは、「超効率化・自動化」が必要です。効率化、自動化をするのはどんな製造業でも必要不可欠、当たり前だと思いますが、「超」と付けたのがミソです。

要は、今まで通りの努力での効率化、自動化では足りないということ。とにかく生産工程における人数を減らし、一人あたりの生産性を極限まで上げる必要があります。

印刷は受注産業なので全てがオーダーメイド。車や家電製品とは違い、毎日違うものを作っています。なので毎回仕様が違うことから自動化が実現できずにとにかくマンパワーでなんとかしてきた業界です。しかし、なかなか自動化できないという言い訳も今や通用しません。「低価格」「短納期」「そこそこの品質」が印刷物には求められています。これを実現するには自動化で人手を減らし、生産コストを下げて、一人あたりの生産性を上げていかないといけない。

今まで以上のスピード感で自動化を図らなくてはならないです。もたもたしていると手遅れになる可能性があります。

生産管理のMIS(経営情報システム)の作り込み、DTPでの自動組版、製版でのMIS連携による自動面付け、印刷でのCIP3、CIP4を活用した自動化、製本でのCIP4を活用しての自動断裁、自動折機設定、印刷・製本のライン化などが代表的になところだと思います。

設備投資も必要になってきます。すべてを改善するためにいくらでも投資できるような経営環境でない印刷会社がほとんどなので、自分たちの仕事内容に応じてどこに注力すべきか現状分析して見極めて、適切な投資をしなければならないです。

 

 

そして、「印刷に固執しない新規事業」も必須です。

どんなに頑張っても、印刷市場は縮小していくことは変わらないでしょう。なので、印刷以外の事業を伸ばす必要があります。印刷大手の大日本印刷、凸版印刷も今や売上の半分近くは電子部品やソフトウェア・サービスなど、印刷事業以外の事業で占めています。

印刷に固執していても低価格競争になって成長が見込めない。なら、印刷以外で収益を得るしかない。弊社で言うと、「もえしょく」でしょうか。

 

新潟もえしょく®プロジェクト

 

印刷物に付加価値をつけるという案もありますが、印刷物自体の加工を特殊なものにするとかそういったことでなく、他の事業との組み合わせで印刷物に付加価値を付けることが必要です。

商業印刷主体の印刷会社に求められているのは、根本的には「売上を上げるための方法、アイディア」だと思います。チラシやパンフレットを作るのは製品を買ってもらったり、サービスを利用してもらうのが目的ですよね?

この目的を達成するためには、絶対に印刷物でなければならない理由はないはずです。

そういった視点でお客様が求めているものは何なのか考えて事業化するべきです。

 

 

印刷会社に身を置く一社員として印刷業界の今後について考えてみました。

印刷業界は縮小していると言っても、印刷物は世の中から全くなくなることはないでしょうし、縮小するといってもその中でオンリーワンの会社になることができれば今後も問題ありません。だから、周りと同じことをせず新しいことにどんどんチャレンジしていく必要があります。それが何なのかまだ自分にもわかりませんが、広い視野で物事を見て行きたいと思います。

 

 

 

 

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