HAC -12-

こんにちは、ウィザップDTP部のヒグチです。

ヒグチ・アルビレックス・クロニクル「HAC」第12話です。

 

 

前回はこちら

 

2001年、市陸時代には3、4000人ほどだった観客数が、ビッグスワン完成後は一気に常時2、3万人にまで膨れ上がりました。

その大観衆の後押し、そして反町戦術の浸透もあってか、選手たちも躍動。

昇格争いを狙える位置まで順位を上げて行きます。

 

 

正直に言えば、アルビのサッカーが面白いと感じたのはこの年が初めてでした。

今まではアルビの選手やサッカーに魅かれたというより、地元のチームだから応援しようというのが始めにありました。

しかし2001年の反町アルビは、やっているサッカー自体にワクワクさせられたのです。

 

そのせいもあってか、この年は仙台や京都など関東以外のアウェーにも遠征しました。

DSC_0476

2001.5.27仙台スタジアム(筆者撮影)

DSC_0477

2001.9.15京都西京極陸上競技場(筆者撮影)

 

 

 

それだけに、この年のサッカー、メンバーには思い入れがあります。

DSC_0428

2001年の基本布陣。 「アルビレックス新潟11年史」より

労をいとわぬチーム全体のハードワーク。

そしてピンチの場面を越後の壁DFセルジオらの堅守でしのぐと、GK野澤のロングスロー(ハーフラインあたりまで飛ばすような強肩)から一気のカウンター。

左の鈴木慎吾のスピード、右の寺川のドリブルであっという間に両翼をえぐり、ツインタワーの黒崎・氏原がゴールに突き刺す。

 

ビッグスワンを訪れ、初めてサッカーを見たであろう人々もこのサッカーに魅了されていきます。この年以降もビッグスワンで最も観客が沸くのがこういった「スピードに乗ったカウンター」の場面になります。

 

良くも悪くも、このカウンターサッカーがアルビサッカーの原型となっていきます。

 

「悪くも」と言ったのは、孵化したばかりのヒナが初めて目にした物を親と思い込むように、初めてサッカーに触れた人々が「縦に早いサッカー」こそサッカーの醍醐味と思ってしまったことです。結果、自陣でのパス回しなどに拒否反応(ザワつき)を示し、「早く前へ!」と選手を急かす観客を生んでしまったのです。

 

 

シーズン終盤、超満員4万2000人を集めた首位京都との決戦に再び延長Vゴールで敗れて、この年は事実上の終戦。

 

J2昇格の2位仙台と勝ち点5差の4位で、この年のシーズンを終えることとなりました。

 

2年前と同じ4位。

しかし、その時とは内容、期待度は雲泥の差。

来季に大きな希望を抱かせるものでした。

 

続く

0PEOPLE