雪の日に
い~の
兄が高校時代からバイクに乗っていた影響で、僕も小学生の頃からバイクに興味があり、いつか必ず乗ろうと思っていました。
プラモデルはバイクを選ぶことが多かったですし、小学校の卒業文集では、将来の夢はハーレーで世界一周をしたいなどと書いていました。
バイクを題材にした小説も何冊か読みました。片岡義男が好きで、実際にバイクに乗ったこともないのに、読んでいると心がドキドキして夜も眠れなくなるほどでした。
高校時代はなんとか我慢をして、卒業後すぐに中型免許を取りました。
実際に乗ってみると頭で思っていたイメージよりも、重いバイクを扱うのは難しくて、教習所で一度転倒してしまった後は、恐怖心が芽生えてしまいました。
なんとか免許を取った後は、ビンボー学生の身でバイクを買うお金もなく、そのまま夢を心の奥にしまったまま時が過ぎていきました。
夢を現実にすることは、一歩を踏み出す勇気が必要なのだと分かっていても、気持ちを抑え込んで他の何かでごまかして生きてきました。
今は昔のように、血が沸騰しそうなほど乗りたい気持ちはなくなりましたが、格好いいバイクを見ると、いいなあ~と思ってしまいます。
まだ、心の奥底に眠っている火は消えていないようです。